Monthly Archives: 2月 2021

ポイント 経営

伸びる事業に投資をする

Published by:

先日、ある事業のリーダーに「このままだと、この事業には投資しなくなるよ」という話をしました。

ここ最近売上が減少しているのですが、リーダーがコスト調整で帳尻を合わせようとしていたからです。

その事業は今後もまだ成長の可能性があると私自身は考えていました。ただし現状の延長線上には答えはないとも思っていました。

しかしリーダー自身がイノベーションを起こさず、縮小均衡を目指すのであれば、もはやその事業に投資する意味はなくなります。

会社でいくつかの事業を行っている場合、「お金」に限らず「人材」といったリソースをどこに投資するべきか?判断しなければならない機会があります。

特に「人材」については限られているので、ここで言う「投資をどこにするか?」という意味には「人材の配置転換」も含まれます。

さすがにリーダーもそこまで言われるものとは考えていなかったでしょう。しかし経営する立場から言うと、至極まっとうなことなんです。

なぜなら投資をする優先順位は「儲かっているか?」ではなく「伸びるか?」という判断基準だからです。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントで言うところの、「花形」や「問題児」に対して投資をするということです。

(今回はこちらから図をお借りしました)

今まで投資をしてきた事業が、これ以上成長を見込めない場合、投資を減らして「金のなる木」として収益貢献してもらう必要があります。

今、この事業がどこにいるのか?

事業責任者はそれを読み間違えてはいけません。

この話をしたあと、リーダーもギアが入れ替わったようです。

「これから成長をしていくんだ!」

という意志を持って前に進むことで、事業展開の可能性は広がります。

またその意志が全社に伝わることでアイデアも社内から豊富に出てきます。

これからの事業展開が楽しみになってきた瞬間でした。

仕事

「提案」をしてみよう

Published by:

先日、古くから付き合いのある社長から電話があり、軽~い感じでクレームをいただきました。

『このところインターゾーンさんの担当から“提案”をいただいていない』と。

「提案」というとセールスにしてもカスタマーサクセスにしても、なんだかサービスを売るための営業行為に思えます。しかし本来の「提案」はそんな単純なものではありません。

私が以前、社内で営業に直接絡んでいるときによく伝えていましたが

『提案こそがお客様の課題発見のスタートになる』

ということです。

どんな会社でも課題のない会社などありません。

そして、誰もが必要とすることは商品・サービスそのものではなく、課題の解決なのです。

ということは、お客様の抱えている課題を理解せずして、商品・サービスを売ってはいけないのです。

ではなぜ「提案」が課題発見のスタートなのでしょうか?

相当レベルの営業マンでない限り、いきなりお客様の抱えている課題を聞き出すことなどできません。

一般の人は「提案」をすることによって、お客様が「それは必要ないね」という話をしていただく機会ができます。中には「そういうことじゃなくて、今困っているのは・・・」という話にまで発展することができるものです。

そして、重要なポイントとして、あらゆる課題解決を必ずしもインターゾーンがやる必要はないということです。出てきた課題はあくまでも「点」でしかありません。何度かその「点」である課題を聞いていくうちに「線」としてつながっていく。

そしてその中にはインターゾーンが役立つ解決策を提示できる可能性があるのです。

今の時代、提案といっても必ずしも1対1でやる必要はありません。ウェビナーや動画であっても、ある課題設定をした提案をすることは可能です。

いずれにしてもお客様に直接リーチをして提案をする。そしてそれを起点としてお客様と一緒になって課題を発見し、解決すべきテーマを明確にする。

これができるようになればお客様から信頼される人物になることができます。

再度言いますが、課題のない会社など世の中に存在しません。それを自分の商品・サービスだけで解決しようとすると話は進まなくなります。

そういう点で自身の視野をより広くしていく勉強を常に行っていくことが重要だということになりますね。

今回はインターゾーン社内向けのお話になってしまいました。

仕事

社内SNSってどうしてる?

Published by:

インターゾーンでは数多くのSaaSサービスを利用しています。

ほんの一部をご紹介。

【会計系】freee、MFクラウド給与

【人事系】king of time、unipos、wevox

【業務系】kintone、クラウドサイン、backlog

【コミュニケーション系】Slack、chatwork、ZOOM

などなど。ほんの一部でも数多くあります。特に業務系は相当あるのではないでしょうか。

ちなみに今日のテーマは社内SNS。

これまでの社内コミュニケーションの変遷を見てくると・・・

~2016年 メール

2016年~ Talknote

2017年~ Goalous

2020年~ Slack

ちなみに、この中で一番知名度が低いのはGoalousだと思います。これは私の知人である中村社長が経営しているcolorkrewという会社のサービスです。「バリフラット」というホラクラシー型の組織を本気でつくりあげている大変面白い会社です。

これらのサービスは一気に切り替わったというよりは並行して利用があったうえで、最終的にはSlackに統一されたというところです。

それぞれのサービスの良し悪しはもちろんあります。結局、自社の使い方に合っているかどうか?がポイントになりました。

そして「使い方」と書いたように「社内運用方針」を明確にすることが重要です。インターゾーン社内でもどのような使い方をするのか?ということを結構こまかく規定しています。

すでに社内SNS歴5年以上あるので、リテラシーも高い会社ではありますが、運用の重要性を理解しているので、わざわざ「Slack全社導入プロジェクト」というプロジェクトまで存在しています。

結局、どんなシステムも社内運用規程が重要だということが、インターゾーン社内を見るだけでもよくわかります。

そういう点で、我々の提供するgNOTEもシステム。クライアント側で運用をしっかり規定してもらうかが大切ですね。

ポイント 働き方 社会 経営

グローバルな視点に立って給料をロジカルに考える

Published by:

「給料を考える」シリーズ第2弾。

今回は視点をグッと高くしてロジカルに物事を考えたいと思います。

よく「日本はOECD加盟国中で労働生産性が下位である」という指摘がこのところよくなされます。IT化が遅れているとか、会議が多いとか・・・いろんなことを言う人がいますが、私の見解は少し違います。

「物価と給料の安さが生産性を下げる要因になっている」と考えています。

コロナ以前によく海外に行っていましたが、先進国はとにかく物価が高い!近年行ったところではロンドン、パリ、ハワイ、オークランド(ニュージーランド)などがありますが、物価は日本より高いです。飲食業などを見ると明らか。ニュージーランドで日本食の少し豪華なランチを食べようものなら4000円!

これは表側は物価ですが、裏側は人件費があります。

日本はここ30年で先進国中で物価も人件費も最も低い国に“なり下がって”しまいました。物価を見てみても、給料を見てみても、私が働き始めた27年前のほうが高かったくらいです。

他の先進国はざっくり120%~150%くらいの人件費の高さです。

飲食業で日本でアルバイトとして働くような人で1200円~1300円。ニュージーランドでは1500円。さらに地価も高騰していました。そんな中で商売をやると自ずと価格は高くなります。

1時間で提供するサービスが同じだとして、価格が1.2倍であれば、当然生産性も計算上1.2倍になります。これは効率の良さなど関係なく、単に価格が異なるだけなんです。

現在コロナ禍で壊滅的な打撃を受けているインバウンド需要だって「安いから」来ている外国人も数多くいます。中国の上海などは東京よりも不動産が高い!

さて給料の話に戻します。

日本の大企業は今の時代、グローバルな戦いを強いられています。人材獲得競争も同じくグローバル。外国の企業が提示する給料に負けてしまえば、優秀な人材を獲得することはできません。

今、日本企業が「ジョブ型」などといって給与改定に動いている背景には、このグローバル競争に勝ち抜けるか?という思惑があります。結果としては当然のことながらシニアの給料が下がり、若手の給料が上がります。そして定期昇給は減っていく。。。

しかし、この問題は大企業だけの問題ではありません。

インターゾーンが人材確保を競い合う相手は中小企業ではなく、大企業であったりします。その大企業の賃金が上がるとするならば、インターゾーンもそこに競争力を持たなければなりません。

特にリモートワークが普通になっていく社会においてはより厳しい競争にさらされることでしょう。

よって長期的にインターゾーンも賃金を底上げしていく必要があります。となると、昨日のブログに戻りますが、相当ビジネスモデルを考え直し続けなければなりません。このことをメンバーと共有できるかが賃金上昇に備えられるか?の分かれ目になります。

日本企業で働く人は「給料は会社が勝手に上げてくれるもの」という認識を改めなければなりません。給料がどのように決まっていくべきか?というロジカルなことを理解した上で、グローバルな社会の動きも理解した上で、しっかりと自分の会社・仕事を見つめなおし続ける必要があるということですね。

ポイント 経営

経営サイドに立って給料をロジカルに考える

Published by:

【給料】

働く人にとってとても重要な要素でありつつ、なんだかあまり突っ込んだ議論になりにくいテーマです。一般的に日本企業では給料の話はタブー視されがち。

でも巷ではジョブ型への移行であったり、成果主義の話であったり一般論としては活発に議論がなされています。

今回は経営サイドに立って(特に中小企業の場合)、ロジカルに給料というものを考えてみたいと思います。今回は「評価制度」については除外して考えます。

まず1つ目。採用。

会社としてはより多くの入社希望がほしいもの。よって給料がマッチしないために採用できないということはできれば避けたいことではあります。

ある給料を設定してる場合、その給料で欲しい人材を採用できるのか?ということですね。新卒採用だけをしている場合は、新卒ではどの企業もあまり差がないので、気にしていないかもしれません。

インターゾーンのように転職者が多い場合は、ここはやはり大きなポイントになります。人材市場において、あるレベルの人材がどのくらいの給料をもらっていて、また転職する際にどのくらいのことを考えるのか?東京と群馬の格差としてどこまでが容認されるレベルか?などですね。

次に、既存メンバーの継続雇用。

ここは様々な考え方がありますね。最初に書いたジョブ型であったり、成果主義だったり、終身雇用寄りの仕組みだったり。いずれにしても、ここも「勤務し続けてほしい人材」が給料についてどのように考えているのか?をマーケティング的に考える必要があります。

その人が起業したりする場合を除いて、他社に転職するかどうか?が現在の給料の影響があるか?ということですね。ただ注意しなければならないのは退職理由に給料ではないケースのほうが多いということ。実際私が最初に転職した際も全く給料の問題とか関係ありませんでしたから。

そして最後に、上記2点の前提となる「経営が成り立つのか?」という視点です。中小企業の場合はここがとても大きな要素になりますね。インターゾーンのようなベンチャーのケースは特にここが難しい。なぜなら、メンバーが若いため、今後の給与上昇が直接経営にインパクトを与えるからです。

古くからあるいわゆる中小企業は、65歳くらいまでの全年代の人が働いているので、年齢にあわせて昇給しても、一方で定年退職していく人もいるので、給与総額は保たれます。

一方、インターゾーンの場合は年次昇給があるとするならば、勤続年数や年齢が高くなるにつれて会社全体の給与総額は増大します。なぜなら今の時点では平均年齢が31歳で、まだ勤続年数も短く、中高年がほとんどいないからです。今後に対応するには年次昇給に耐えられるだけの利益の確保が必要になります。

例えば50人の会社で賞与が年間で基本給の4ヶ月分ある場合を考えてみましょう。

1万円の基本給を上げるということはどういうことか?

賞与を含めて年間16万円・・・ということにはなりません。

まず残業単価に影響を与えます。

インターゾーンの場合、業務手当がそれにあたります。1万円基本給があがると業務手当も平均1800円あがります。

さらに会社が負担する社会保険料も増加します。これがおよそ1300円。

合計すると月間に13100円の増加です。

さて1人が年間にどれだけ増えるのでしょうか?

13,100円 × 12ヶ月 + 40000円(賞与増額)= 197,200円

これが50人いる場合、986万円になります。

これは経常利益に直接インパクトを与える金額です。この給与上昇を可能にするには当然のことながら、「現在の人員」で売上の増加を実現できることが前提となります。

労働分配率60%の企業であれば、今の人員のまま1650万円の粗利をあげなければなりません。そして粗利率30%の場合、5500万円の売上増加ということです。

これが実現できるか?が経営サイドから見た答えになります。

ただ一般的には個々人の努力だけで売上や粗利が上がるものではありません。結局のところ仕組づくりをどう変えるのか?ビジネスモデルの問題になります。そうなると、給料をあげていけるかどうか?も経営者の仕事ということになる訳ですね。