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人生 個人 日記

震災10年目に思う

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昨日、東日本大震災から10年目を迎えました。皆さん同様、当時のことは鮮明に覚えています。

ただ私の震災経験といえば、東日本よりも26年前に起きた阪神大震災のほうなんです。

当時、私は鳥取県の米子に住んでいました。社会人になって1年目。そのとき勤めていた出光興産の支店勤務の時代です。あの日は神戸から遠く離れた米子でもかなり大きな揺れを感じました。朝ニュースで見た光景は忘れることはありません。

私は大学が神戸だったので、実はあの震災の前日も友人と一緒に神戸の三宮にいました。

出光興産では神戸地区の救援部隊が即日結成され、私もその一員として神戸に向かうことになります。震災の2日後に神戸入り。陸路は使えないため、姫路から船で神戸に向かいました。上陸して変わり果てた姿に愕然とした記憶があります。

神戸では亡くなった方の大半は建物の倒壊や火災でした。特に火災のひどかった長田地区にも応援に行きましたが、目の前で知り合いにあった人が『生きてたか~!!』と、なんとも言えない顔つきで抱き合う姿を目撃して、人の生死を分ける怖さをひしひしと感じていました。

ライフラインが完全に断たれているため、お風呂も入らず1週間にわたって救援活動を行いました。夜はイスを並べてその上で寝るのですが、余震が頻発するので、イスがバラバラになってよく眠れません。

そのころは携帯電話が少しだけ使われ始めていたころで、個人で携帯を持っている人はほとんどいませんでした。固定電話や公衆電話から神戸の友人にも連絡をするもなかなか連絡がとれない日が続きました。幸い私の友人はみな無事でしたが、大学の後輩の中には建物の倒壊の下敷きになり、丸1日近くたって救出されたケースもありました。

東日本大震災では津波被害が大きく、そこに対する対策が講じられましたが、自然災害というものは人智を超えたものなので、万全を期すことなどできません。ここ群馬は自然災害が少ないとみんな言いますが、実は阪神大震災当時、関西の人たちは「関西では地震がほとんどない」と自信満々に言っていました。それだけに群馬でも何があるのか、誰にも分からないのだと思っています。

災害対策はもちろんですが、やはり何かが起きた時にどう行動できるか?が最も大事なことなのだと思います。出光興産はあのとき、神戸で最初にガソリンスタンドを再開することができました。それは人の団結力の成果なのだと思っています。

緊急時には一致団結して事に当たる。この心構えだけは忘れてはならないことだと感じています。