先日、とある会合の講演で聞いた話で心に残る内容がありました。
・成熟したマーケットにおいて低価格による成長を目指すのは致命的。
・マーケットが縮小する際、低価格であることの「見せかけ」は大切だが、顧客は付加価値を求める。
・付加価値戦略をとると、低価格戦略と比べて顧客数拡大に時間がかかる。
インターゾーンのクライアントでも成熟マーケットで低価格戦略をとっている企業が数多くあります。しかし、数年前と比較すると明らかに伸び悩んでいます。
以前私がいた石油業界でも同じことがありました。
20年ほど前は低価格でいいのでシェアを高めることが正義でした。
販売会社にとって、低価格で売りまくっても、後からメーカーが補填してくれます。
しかしマーケットが縮小する時代になると、メーカーは助けてくれなくなります。
低価格で戦い続けたら倒れてしまうだけです。
そこで「付加価値」の登場です。
しかし「付加価値」といっても一体何をすればいいのか?
ひとつの例をあげます。
知り合いの建設会社(A社)がある大手メーカーのソーラーパネル設置を東北、関東全域で任されました。
もともとメーカーはそれぞれの県単位で入札をして、業者選定を行っていました。
しかし、入札の都度、メーカーの担当者は業務量ばかり増えて無駄が多くなります。
そこで広域一括発注をすることになったのです。
その際の選定基準は「全域で均一な品質、納期で仕上げることができること」です。
価格はもちろん必要ですが、それだけで任されることはありません。
この場合の付加価値とは「利便性」です。
A社よりも安く施工する建設会社もあるはずです。
しかし、A社が選定された理由は利便性という付加価値があるからなのです。
このような観点で見ていると、付加価値の考え方も少しずつ理解できるようになります。
付加価値戦略は低価格戦略より明らかに面白いものです。
アイデア、仮説、数値目標、実行、検証。。。
どんな商売にも当てはまる普遍的な考え方です。